ルリ (著者) ビリョンソ 2023-04-28 ハードカバー 120ページ 188*246mm 644g ISBN : 9788949108315
本紹介
「君が後ろを向いてくれたあの日、初めて私の味方ができたんだ
「そう、私はあなたになって、あなたは私になるよ···」
『長い夜』、『彼らは結局ブレーメンに行けなかった「」の
感動を受け継ぐルリ作家の新作
彼らは結局ブレーメンに行けなかった「」で飛龍沼黄金鬼賞絵本部門大賞、「長い夜」で文学トンネ子供文学賞を同時に受賞し、大きな話題になったルリ作家の新作が出版された。30万部以上売れた『長い夜』は子供、大人の心をとらえ、ロングセラーとしてその歩みを続けている。今回出版された新作『メフィスト』も絵本とグラフィックノーブルの中間形態の自由な形式で全年齢の読者層を開いた。多様なレイアウトに盛り込まれたイメージは悪魔と少女、この2人の状況と心理を行き来しながら含蓄的で緊張感のあるものに進行される。お互いの話がかみ合い、オーバーラップしながらその意味とテーマまで拡張させる。さすらい犬になった悪魔メフィストと一人ぼっちの少女が一緒に編んでいく厳しい歳月は、むしろ逆説的に希望と救援のメッセージを伝える。悪魔で老けない犬と老いて記憶を失っていく少女、この2人の切実さを読み上げながら読者たちは私と私の周辺の関係についても考えることができる。
■これから本当の話が始まるよ
ゲーテの『ファウスト』からモチーフを得て構想された本書の語り手は悪魔「メフィスト」である。天上も地下も、どこにも属さず救われなかった悪魔は、最後に地上に向かう。それも放浪犬の姿で。このような悪魔が初めて向き合った相手は、よりによって耳障りな一人ぼっちの少女だ。一度も願いが叶ったことのない、ジジリ運もないそんな少女。この2人は誰が先と言うまでもなく、自然にお互いに向かって心を開く。
二人の物語、犬の物語、少女の物語、再び犬の物語。このように計4つの部分に短く分かれてお互いの話を交わす方式で進められるこの本は、計120ページ分量の長編ストーリーだ。絵本とグラフィックノーブルの中間形態の自由な形式で過去と現在を行き来しながら緊張感を持って進行される。絵で主要事件をリードし、文は必ず必要な瞬間、きちんと読者の胸に響く。
地獄はどんなところかと君が聞いた。そこに行くと、一番憎んだ存在の姿で一生を過ごすことになる。そう、地獄に行けば君は君の姿そのまま、僕は僕の姿そのまま過ごすことになるだろう。
天国はどんなところかと君がまた聞いた。私も知らない。一番好きだった存在の姿で暮らすことになるかな。そう、それでは私はあなたになり、あなたは私になる…···人間になりたいのかと君が聞いた。私はなぜかうなずいた。
■ お互いへの慰めと共感
貧困と障害で家庭と社会から疎外された少女は、幼い頃から友達が一人もおらず、頼るところもない。荒々しく不毛な人生に光の流れのように現れたのは皮肉にも悪魔である放浪犬「メフィスト」だ。少女と悪魔はその二人だけの世界で愛と喜びを分かち合いながら人生に耐えていく。悪いこと、世の中に向けた小心ないたずらも二人にはただの美しい思い出になる。これを必ず記憶しようとするかのように、少女は一つ一つ写真を撮って壁に貼る。だが歳月は流れ、老けることも死ぬこともできない悪魔はそのままのまま、老けて記憶を失っていく少女のそばにいる。共にした不毛な人生、それ以上の苦痛で悪魔はもがく。結局、自分さえ忘れていく少女に向かって悪魔は最後に全力を尽くして記憶を戻す禁止された魔法を使うことにする。その過程で悪魔である自分の姿そのまま愛した少女の心を読むことになる。むしろ少女が神と賭けをした願いによって悪魔は人に生まれ変わる。そして2人は手を取り合うことになる。大変で至難な人生に負けていないから。お互いへの慰めと共感、愛がこのすべてを乗り越えたことに笑いながら終わる。この本は作家の自伝的経験を溶かした率直な話であり、さらに感動の響きが大きい。真の家族、友人、私の周辺の関係的意味を考え、子供と大人のすべての世代が共感して読むことができる。
作家紹介
ルリ(ジウン)
彼らは結局ブレーメンに行けなかった「」で飛龍沼黄金お化け絵本部門大賞、「長い夜」で文学トンネ子供文学賞を受賞した。『都会のワニ』に絵を描いた。
受賞:2020年黄金鬼賞、2020年文学トンネ子供文学賞
プレビュー