イ·ナンヨン (著者) ソドン 2023-03-08288ページ 148*202mm 374g ISBN : 9788994750668
本紹介
厳しい都市民に伝える植物や木の上に
「私たちもあなたのように美しくなれるなら」
クレーンが地平線を成す都市
都市は開発を避けることができない宿命を持っている。絶えず建物が建てられ、木が切り裂かれる。都市の成長と同じくらい、人々の心に穴が開いていく。その開発の裏側、暗いところに小さな生命がある。切られた木があり、コンクリートの隙間を突き抜けて出てくる弱い植物があり、屋上で植物を育てて一緒に集まってテレビを見る人がいる。彼らは弱そうに見えるが、都市の荒廃を覆い、胸の痛む人々を慰める存在だ。木の暗さが深くてこそ陰の懐がさらに広がるように、都市を多彩で深くする存在たちだ。
心の中に自分だけの木を一本ずつ育てることができれば
「もしかしたら、人々はそれぞれ小さな木を一本ずつ心の中に抱いているのかもしれない。そのようにこの文明の陰に耐えているのかもしれない」
この本は、胸に穴一つ開いたまま生きていく都会の人々に緑を覚えろと語る。野原に咲き乱れる野花、石垣の隙間の小さな草、故郷の柿の木、あるいは私だけの巨大な木。何でも心の中に木一本が残っているから、それを記憶して思い浮かべながら息をするようにという。そうすれば植物があなたを慰めるだろうと。文章と手描きで構成されたこの本は、緑の記憶を思い浮かべるための祈りを盛り込んでいる。
木が抱く闇の上に
闇が深いほど安息の懐も深まる
風雨が激しく吹いていたある日、作家は小鳥一羽が木の暗さの中に飛び込んで雨宿りする光景を見る。「ああ、木が鳥たちをまんまと保護してくれているんだ、あの闇が鳥たちを安全に守ってくれているんだ」「それなら私たちももっと暗くなっても大丈夫だな」と悟る。
この本は都市の陰と木の暗さについて語っている。しかし、その暗さは小鳥が飛んできて安息させる暗さだ。都会の裏通りの木一本が鳥の安息所になるように、木陰が人々に憩いを与えるように、老いた木が寄りかかる巣を提供するように、もしかしたら役立たなさそうな小さな存在が私たちを慰めてくれる。そのような点で、この本は弱い存在が弱い存在に与える慰めだ。
この本は、厳しい環境の中でも屈せず育つ小さな生命を記憶するための作業でもある。作家自身もそうだった。夢と現実の間で多くの困難を経験し、多くの経験をした。その中で作家は強くなり、温かい視線を持って彼らを描き始めた。まもなくなくなる村共同体とそこの植物と人々、森をなくす道路建設を防ごうとする活動家たちがそのように本書に盛り込まれた。
破壊しつつある森と共同体に対する痛ましい視線
人々は森とコミュニティを絶えず破壊している。済州道の非森林路の森のように道路建設という名目で古い森がものともせず消える危機に直面することもある。一部の人々はこれに対抗して生業を中止し、森に住む生命を守るために乗り出す。また、再開発地域には小さな植木鉢と発泡スチロールボックスに植物を育てながら生きていく人々がいる。彼らはたまに屋上で会って会議もし、誰かが病気になったら見舞いに行き、一人暮らしのおばあさんの家に集まって一緒にテレビを見る。この本には木と草に頼って暮らし、彼らを守りながら育てる人々の話が暖かく盛り込まれている。
「村共同体が消えるということは、その中に込められた数多くの話も共に消えることだ。物語が消えるということは歴史が消えるのと同じで、歴史が消えるということはまさに私たち自身が消えるのと同じだ」。
私たち全員に一つの木が育つ。
私のポケットの種-私たちもあなたのように美しくいられるなら
作家はポケットの中に種を入れて触りながら、自分の身長より数十倍大きく育つ木を想像する。誰にでもポケットの中の種があるのではないか。芽が出て枝が出て一抱えの木になり、深い休息と安息を与える木。そうして私たち皆に一つの木が育つ。美しい木一つずつ心の中に抱いていれば生きていけるのではないか。私たちは皆美しい存在だから、とこの本は話す。
目次
1部 木の暗さについて
010都市の地平線
016 おばあちゃんと花の木
022 引っ越し
024 木の強制移住 1
026 木の強制移住 2
028 最後の晩餐
034 危険な木
038 かぼちゃモンスター
042 カロスキルとタキシード
046 春
050 雨の中の草虫
052 木の暗さについて
第2部 路地の果ての木一本
070 路地裏の木一本
076 ヤグルマギク一輪
082従量制袋と花の種
088柳の道しるべ
092 アイラブハズレハイ!
096 裏のおじさんとエレキギター
100不動産おじさん
102 路地裏のおじさん
105 ガチャガチャ植物トラック
108 階段 おばあさん
3部屋上植物共同体
122 花 おばあさん
128 ジャガイモの花を摘んで
132 みんなで一日連続ドラマ
136 猫と木蓮の木が住む空き家
140 ゴルフおじさん
142 背の低いおばあさん
146 たんぽおばさん
150 ボックス おじいさん
154 執着を捨てろ
158 路上放尿 ハハ
162 屋上植物共同体
166 木と台風
4部 木になった人々
172 木になった人々
174 毘沙林路森の物語
5部 緑に対する記憶
206 グリーンに対する記憶
208 私を訪ねてきた空の牛
212 私が初めて根を下ろした日
214 ピンク色の桜桃の木
218 春菊の花見
222 友達の植物箱
225 役場の窓
228 父の蘭
232 幼い頃に描いた木
6分丈 ポケットの種々
238 スーパーおばさんの月見草
244 草の葉一つを描くことについて
248森林浴
252 かぼちゃの花 女性
254 小枝落ちた日
256植物が与える慰め
264 隣のおばさんの植木鉢
268 王冠をかぶった木
270 私たちの祈り
278 ポケットの種々
作家紹介
イ·ナンヨン(ジウン)
画家になるのが夢だったが、20代の大半は平和運動をする社会団体で過ごした。その後、活動家、作家、行為芸術家などの名前で暮らした。この10年余りは展示、社会的メッセージを盛り込んだ絵作業、行為芸術などの美術活動を行った。その中には通り過ぎる女性たちの髪をとかしてあげる行為芸術「髪をとかしてくれる人」がいる。チョン·テイル50周忌労働美術祭、鷺梁津水産市場の追い出された商人たちに対する作業などにも参加した。
阿峴洞など再開発地域で暮らしながら隣人と小さな生命に対する記録、絵作業をしてきた。この本の絵はすべて手描きだ。
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